牧師 の書斎より その12『できれば99.9%見逃す者に』
   
 

今,全日空が導入したボーイング787という新型飛行機が注目されています。今までにない乗り心地なのだそうです。専門家のいろいろな感想を聞いてみると,どうやら,機内の気圧も大幅に改善されていて,飛行機に乗ると少し頭が痛くなる私のような者にとって「一度是非乗ってみたい!」そう思わせるのに充分な飛行機であるようです。

先日,この新型飛行機就航のための訓練を指導した早川秀昭さんのドキュメント番組が放映され,私もビデオに撮ってそれを見ることが出来ました。さすが日本を代表するプロの旅客機操縦士,「0.01%のミスを見逃さない!」そういう決意を持って日々の仕事にあたっているのだそうです。

この徹底した考え方,この誠実さには実に頭がさがります。こうようなプロ中のプロが空の安全を支えている。これはすばらしいことであると感銘を受けたのは私一人ではないと思います。これからもこのような徹底した考えを持つそういう仕事人がもっともっと増えて欲しいと心からそう思います。

ところで私は,いつの間にか,この4月1日をもって牧会経験30年ということになりますが,私の場合は年月ばかりが経っていて,未だに牧師としてアマチュアの域を脱することができません。(自分でも困ったことだと思っています。そして,このことでは,みなさんにもご迷惑をかけていて申し訳なく思っています。)

何が自分の課題なのか・・・今回,このドキュメント番組を見て,私はその自分の課題の一つが見えたように思いました。早川さんは旅客操縦士として,日頃,0.01%のミスを見逃さないようにという決意をもって仕事をしておられます。一方,プロの牧師は,この反対でなければならないのではないか・・御言葉はそのことを指し示していると思うのです。すなわち,プロの牧師は・・(いや,これは「真のキリスト者は」と言い換えた方がいいかもしれませんが)人の罪と咎を,高い純度をもって見逃すことができなければならない。このことは,キリスト者の召しではないか・・。そのように思ったのでした。

言うまでもなく,イエスさまは,私たちの罪と咎を自らのいのちに代えて お赦しくださいました。ですから,イエスさまは,正に100%私たちのミスを見逃してくださった方です。そういうわけで,私たちはこの方を見つめ・・できるだけ見逃しの純度を高めることに努めたいと思います。・・できれば人のミスを99.9%見逃せる者に・・・。そうなったときに私は初めて「プロの牧師に成長させていただきました。」と言えるのだと思います。

「あなたがたの寛容な心を,すべての人に知らせなさい。主は近いのです。」
 エペソ4:5


牧師:北澤正明